刺繍で名高いフィレンツェ近郊の町ピストイア。MUNGAIはこの町で100年程前から貴族や裕福な人々の使うタオルやベッドリネンを作り続けてきました。本当に限られた人々の間でのみ知られていたMUNGAIのハンカチやリネン製品は熟練職人の手により、1枚あたり何時間もの時間が費やされます。その刺繍技術はまさに芸術の域に達し、使用される素材も、すぐれた機能(吸水性)を兼ね備えた最高級のものとなっております。近年では100年以上に渡り受け継がれてきたハンドメイドの刺繍文化を用いたチーフアイテムが世界中で愛用されています。
Matteo Bargiacchi(マテオ バルジャッキ)は創業家の長男として生まれ、現在はMUNGAIのディレクターとして活躍中。
ARCODIO---日本でも非常にファンの多いMUNGAIですが、今回はインタビューにご協力有難うございます。
Matteo---こんにちは、MUNGAIのディレクターを務めるマテオです。世界最大級のメンズ展示会のPITTI IMMAGINE UOMO (ピッティ・ウォモ)が出会いで日本人の友達も沢山います。今回このようにインタビューのお話を頂けて光栄です。よろしくお願い致します。
ARCODIO---まずはMUNGUIをご存じない方もいると思いますので、簡単にご紹介をお願いします。
Matteo---ピストイア(トスカーナ州フィレンツェ近郊の町)に受け継がれる刺繍技術を、祖母より手ほどきを受けた母が創業し、MUNGAIは生まれました。創業した当初はハウスリネンを中心にオーダーメイドのベッドリネン、テーブルクロス、カーテンなど貴族文化から花開いた多くのプロダクトの生産が私たちの仕事の中心でした。
ARCODIO---日本では、MUNGAI=ポケットチーフのイメージが強いですが・・・ポケットチーフを生産し始めた経緯を教えてください。
Matteo---約20年前、フィレンツェでオーダーシャツ工房を経営する友人のLeonardo Bugelli(レオナルド ブジェリ)の紹介で、父のLuciano(ルチアーノ)とKOTARO(現スピラーレ代表取締役・神藤光太郎氏)が出会い、その時にハンドロールのポケットチーフ制作の相談を受けたのがすべての始まりです。
イタリアではポケットチーフをする習慣があり、昔は機械などないですから、ハンドロールの温かみのある手縫いで作られたポケットチーフをみんな使っていました。しかし機械化が進み、店頭に機械縫いのポケットチーフが並んでいるというのが普通で、ハンドメイドのポケットチーフはほとんど取り扱いがありませんでした。ハンドメイドのチーフは、シャツ工房でオーダーするしか手に入らなかったのです。
最初は半信半疑でサンプルを作成し、日本のKOTAROに送ったと父から聞いてます。余談ですが、当時、父は学校の先生をしており、CEOの母の代わりにKOTAROに会ったのですが、これが我々にとって本当に大きな出会いだったと、父がいつも嬉しそうに話します。
しばらくして、日本からの発注がたくさん入って、雑誌に取り上げられ、少しづつ知名度が上がってきました。イタリアでは自分たちのプロダクトが雑誌に載るということが全くなかったので、最初は何か起こったのか分からず驚きました。同時に、自分たちのプロダクトが認められたと素直に家族で喜びましたよ。
更に、SNSがビジネスツールとして世界で使われ始め、YOSHI(干場義雅氏の事をこのように呼んでました)がMUNGAIを紹介してくれて、一気に世界各国にファンが増えた時は本当にびっくりしました。
ARCODIO---実際にMUNGAIのモノづくりと日本のモノづくりとで、大きく異なるところはありますか?
Matteo---日本に出荷される大部分のものは昔と同じく 家庭で縫っていただく内職の方に縫製していただいています。ピストイアには刺繍文化がありますから 縫うことができる職人さんがたくさんいます。そこは日本だけでなく、他のイタリアの街とは少し違うと思います。
ARCODIO---コレクションはどのようなアイデアから作られる?
Matteo---全ては刺繍の技術をどのように使うか・・・ということから始まりますね。刺繍とレースの技術を組み合わせたり。通常の刺繍ではあまり使わない糸を使ったりして新しい表現をつねに探っています。
ARCODIO---MUNGAIの特徴はワンポイント刺繍のように思いますが、今でもすべて手刺繍なのですか?その手刺繍含む、ブランドにとって一番大切な技術の継承はどのように力を入れてますか?
Matteo---リクエストがあれば機械刺繍もできますが(笑)特にリクエストがなければ95%は手縫いですね。
イタリアも近代化が進み、伝統文化の継承が難しくなってきています。私達は、刺繍学校というほどではありませんが、刺繍教室を開いて少しでも刺繍文化が残るように務めています。そこで刺繍を覚えた方の中から、MUNGAIの仕事をお手伝いしてくださる方もいらっしゃいます。
伝統文化、技術の継承は時間がかかりますが、途絶えさせない努力が何よりも大切だと思います。
ARCODIO---日々忙しいと思いますが、趣味はありますか?
Matteo---自転車に乗ることが好きで、古い自転車でエロイカというトスカーナで始まったオールドサイクルの愛好者が集まるレースに参加したりしています。この写真のサイクルジャージは昔と同じくウールでできていてムンガイのマークは刺繍になっています。
ARCODIO---今後のMUNGAIの展望を教えてください。
Matteo---少しでも良い製品を作り続けられるように家族で協力しあって努力を続けたいと思います。
ARCODIO---最後に、日本のMUNGAIファンに何か一言お願いします。
Matteo---エレガントに装うにはディテールに気を配ることは大切なことだと思います。手縫いであたたかさを感じるポケットチーフをさりげなく使う・・・そういった心遣いが着こなしのアクセントになり、深みを与えてくれると思います。
そして、日本にMUNGAIのファンが沢山いる事で、ピストイアの文化が途絶えることなく受け継がれている事に、深く感謝します。
引き続き、MUNGAIをよろしくお願いします。
モデル:スリムシルエット ALBERTO(アルベルト)
Size | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 37- Long |
38- Long |
39- Long |
40- Long |
41- Long |
首周り | 37.8 | 38.8 | 39.8 | 40.8 | 41.8 | 42.8 | 37.8 | 38.8 | 39.8 | 40.8 | 41.8 |
着丈 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 |
肩幅 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 |
バスト | 102 | 106 | 110 | 114 | 118 | 122 | 102 | 106 | 110 | 114 | 118 |
ウエスト | 88 | 92 | 96 | 100 | 104 | 108 | 88 | 92 | 96 | 100 | 104 |
裾周り | 100 | 104 | 108 | 112 | 116 | 120 | 100 | 104 | 108 | 112 | 116 |
AH | 43.8 | 45.3 | 46.8 | 48.3 | 49.8 | 51.3 | 43.8 | 45.3 | 46.8 | 48.3 | 49.8 |
裄丈 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 86.5 | 87.5 | 89 | 90 | 90 |
カフス周り | 20 | 20.5 | 21 | 21.5 | 21.5 | 22 | 20 | 20.5 | 21 | 21.5 | 21.5 |
カフス幅 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
(単位:cm)
●首まわり:
お洗濯後の縮みを考慮し、サイズ寸法+0.8cmとなっております。
●バスト・ウエスト・裾幅:
フロントボタンを閉じた状態でシャツを平たい場所に置き、両面を測った実寸です。
●AHとは:
アームホールをさし、身頃と袖の縫いまわりになります。
●袖の長さ:
一般的にシャツは【裄丈(ゆきたけ)】の長さをみます。
※裄丈-Longは通常よりも裄丈が長い商品です。37-Longから41-Longまでご用意しております。
袖の長さ調整をご希望のお客様は、お手持ちのシャツの裄丈の長さと比較していただき、ご購入の際に【裄丈修理】でご希望寸法をご指示ください。
●シャツの測り方について
詳細は、【シャツの正しい測り方】ページをご覧ください
サイズについてご不明点がございましたら、遠慮なく【CONTACT】までお問い合わせください。