袖の後付けは、人間の身体の動きに合うように組み立てられる縫製技法で、ジャケットと同じように身頃を先に組み立てた後、袖パーツを取り付けます。人間の腕は自然に前に振れているので、袖パーツを少し開き気味に取り付ける事で腕を前に動かした時に、生地がよれる(ねじれる)ことなく人間の身体に沿ったシャツに仕上がります。
この原理を理解する事は、そんなに難しいことではありませんが、縫製上、実現するには作業工程と経験が不可欠です。その為、日本市場に出回っているシャツのほとんどが縫製作業工程数が少ない身頃の脇から袖パーツまで、いっきに縫い上げる方法で仕上げられています。
ARCODIOの袖付けは高級クラシックシャツに多くみられる後付け仕様になっています。
縫製の手間はありますが、ジャケットの縫製と同じ手法で、平面ではなく立体的に仕上げる為の非常に高度な縫製技法です。
日本市場で販売されているほとんどのシャツがこの簡易縫製仕様になっています。
縫製が比較的簡単であることに加え、縫製時間が大幅に短縮される為、多くのメーカーがこちらの技法を採用しています。
その結果、袖の後付けのような高度な縫製ができる工場は現在の日本にはほとんど残っていません。出来たとしても、縫製時間に応じた非常に高いコストが要求されます。
高級シャツブランドの多くはアームホールがハンドステッチ仕様になっています。その理由は、可動域の大きい腕周りをミシンでがっちり縫い合わせてしまうと生地が固定され身体になじみにくいとされています。アームホールをハンドステッチで優しく・緩く縫い合わせる事で、生地に遊びがうまれ腕を動かしても身体になじみやすくなります。
ARCODIOのシャツはアームホール(腕周り)をハンドステッチで仕上げてます。
一針一針、手作業で丁寧に縫い合わせるこの仕様は、時間と技術力が要求される使用です。更に、袖山から脇にかけて縫い幅を狭めています。これは脇のしたに生地が当たってストレスにならない為です。
コストを安くシャツを仕上げる為に、工場は常にスピードを要求されます。その為、服飾のあるべき概念は取り去り、アームホール(腕周り)もミシンでいっきに縫い仕上げてます。
可動域の大きい腕周りの生地に遊びがなくなり、着用ストレスがかかります。
更に、袖山から脇下にかけても同じ幅で縫われている事が普通で、綺麗に見えるように作られていますが、服飾伝統のノウハウはあまり見られません。
ARCODIOのシャツカフスは円錐カフスと言われる手の方に向けてやや細く作られています。これは、腕先の方が細い人間の身体に合わせてフィットするよう、パターンを作成しており、ボタンをはめた状態で無駄な余裕を作らず美しく腕まわりを見せてくれます。
細部までこだわり抜いたARCODIOのシャツは、日本人が経営するフィリピン工場と、イタリア人の技術指導者が常駐する中国工場2拠点で現在縫製しています。